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マーケティングとブランドの話

外資系コミュニケーション会社でのブランド構築の実践・知識からマーケティングとブランド構築に関する豆知識を紹介。

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ブランドの創り方 ? ネーミング

新しい商品やサービスを売り出すときに最も苦心することのひとつにネーミングがあると思います。「名は体を表す」ということわざもありますし、名前というものはブランドにとっても非常に重要な要素です。

浸透度や伝播力の強いネーミングの開発の仕方にも、いくつかのポイントがあります。

まず、商品やサービスのネーミングについて。この場合、お客様に約束するその商品やサービスの利益・便益を端的に表現するものが最も強いネーミングになります。

昔、私がシャンプーを担当していた頃、スーパーマイルドが急成長し、シェアを伸ばしていました。スーパーマイルドの成功要因のひとつにそのブランド戦略があると思います。洗髪するときの問題として、髪を傷めてしまう、ということがありました。その解決策として、多くのシャンプー商品が、髪をなめらかにする、しっとりさせる、などの利益・便益を消費者の方々に約束していました。そんな中で、スーパーマイルドは、「髪を傷めず、マイルドに洗い上げる」ことを商品の利益として消費者の方々に約束していました。

スーパーマイルドの強かったところは、その商品便益の「マイルド」に対し、名前もパッケージデザインもブランドカラーも広告のトーン&マナーもブランドから発信されるすべてのメッセージとイメージを「マイルド」ということに集中させた点だと思っています。

実際、ブラインドテスト(商品の名前を伏せての製品テスト)をすると、スーパーマイルドは洗髪時にマイルド感を感じさせるものではありませんでしたが、スーパーマイルドという商品名を出してでの満足度調査では、消費者の大多数の方々が、スーパーマイルドは洗髪時にマイルド感を感じる、と回答したのです。

強いマーケティング施策はプラシーボ効果(注:文末参照のこと)までももたらすのだと実感したものです。

それから、消費者便益が複数であったり多岐に渡る企業などのネーミングの場合、ひとつだけのお客様への利益・便益に焦点を当ててしまうとメッセージやイメージが限定され狭ばまってしまうことがあります。その場合には、より上位概念からネーミングが開発されます。たとえば、その会社のビジョンであったり、ミッションステートメントであったり、そういった概念からネーミングが開発されます。

抽象概念は具体的なイメージに落としにくいので、できるだけ、イメージの膨らむ形容詞を使うことが強いネーミングの考慮点になります。たとえば色であったり、モノのアナロジーであったり、より多くの方々に共通の認識としてもたれている記号を利用するのも強いネーミングの要因となります。

そういった商品・サービスの具体的便益と関連性の薄いネーミングのアプローチをとるときには、そのネーミングにトークヴァリュー(話題にのぼるネタ)があったり、世界観・ストーリー性があるかどうか、を検証すると良いかもしれません。

例えば、弊社のネーミングもそうですが、名前の由来を説明すると「なるほどね、そんな意味があったんですね。」と納得されるお客様もいらっしゃいます。

それから、これは参考になるかどうかわかりませんが、前に務めていた会社で会議室に名前をつけるプロジェクトがありました。いくつかのアイディアの中から、「太郎」など人名をつけるアイディアが採用されました。不思議だな、と思ったのは私を含む多くの社員がいつになっても会議室の名前を覚えられなかったんです。会議室は空間的に存在するもので、それぞれの部屋に個性やアイデンティティはないので、なかなか名前と部屋を関連付けさせることができなかったからではないか、と勝手に理解しています。空間的に存在し、個性やアイデンティの希薄なものには、やはり、番号やアルファベットで並び順に、など有機的ではなく無機的な記号で整理・順番づけたほうが記憶に残りやすいのではないかと思いました。そういった意味では、会社名や商品・サービス名に特に意味のない無機的なアルファベットを名前につけるのはお勧めできないのです。


(注: プラシーボ効果とは。

医薬品の新薬を開発する時に、それが本当に効き目があるかということをテストします。 その時に使うのが、プラシーボ(プラセボ・偽薬)です。 有効成分が含まれる薬を投与するグループと、有効成分がまったく入っていない偽の薬を投与するグループをつくり、経過を見ます。 このとき、どちらのグループにも効き目がある薬だと言っておきます。 なぜ、このようなテストをするかというと、薬の効き目は人の心理的作用に左右されることがあるからです。 多くの場合、偽薬を投与された人の数%に症状の改善が見られます。 まったく有効成分が入っていないにもかかわらず、効果が出てしまうのです。その効果をプラシーボ効果といいます。)
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  1. 2006/12/31(日) 15:59:38|
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